「城跡を好きに撮影したい・・」がための知らざれる苦労
こんにちは、日本の城跡を訪問しているかいのすけです。
「かいのすけ歴史」というYouTubeチャンネルでその様子を紹介しています。
この記事では、私がこれまでに多くの城を訪れてわかった「城跡を撮影するのに最適な時間」を勝手に紹介します。
※あくまでも現場の肌感覚であることをご承知ください。
城好きな方なら訪問したその様子を動画や画像に残したいと思うもの。特に私は編集してYouTubeにUPするので、「できるだけきれいにわかりやすい映像を撮りたい」と考えています。
ですがこの撮影に苦労している方は多いのではないでしょうか。
城跡を撮影するというのはカメラテクニック的にそれほど難しい部類ではないと思います。なんといっても相手は静止していますからね。
ですが実際の撮影では苦労しますし、いろいろ気を使っています。
いちばん気になるのは「他の人の映り込み」。撮影動画にできるだけ人が入らないように、入っても遠く小さく入るようにするのです。
これは城の様子をできるだけスッキリ視聴者の方に見てもらうためですが、同時に第三者を勝手に撮影してUPする迷惑を避けるためです。そのために「人が来たら撮影を中断する」「人が映りこんだ映像は使わない」ことを心掛けています。
いちばん良いのは「できるだけ人がいない時間に撮影をすること」。そのためにピーク時間を外すよう早起きしたりタイミングを合わせることが必要です。
実は城跡といっても種類によって混雑状況はさまざま。混雑している城跡でも不思議と空いている時間もあるのです。
そんな地味なテクニックを紹介します。
有名な城跡は朝イチがおススメ
① 有名な城跡
ここでいう「有名な城跡」とは、誰もが知る観光名所となっている城跡。姫路城や彦根城、松本城などです。
観光ガイドブックに掲載されていれば、城跡にそれほど興味が無くても「行ってみようか」と思うのが人間の性。説明するまでもなく「混んでいる」ので、人が入らない映像を撮るのがとても難しくなっています。
このような城跡には「有料エリア」があるのが特徴。天守や御殿、他に資料館や本丸エリアに入るのにチケットを購入しなければならないというものです。
そして「有料エリア」は営業時間が決まっており、解放と同時にたくさんの観光客が訪れます。この混雑時間に「城跡をゆっくり撮影したい」と考えるのは無理な話ですね。
そこで・・。
私は有名な城跡の見学は「朝イチ」をねらいます。
営業時間の一番初めをねらって並ぶ作戦です。
うまくいけば「先頭組」に入れるかも。「先頭組」の効果は絶大で、前に誰もいない状態で見学ができる!のが最大のメリット。特に「順路が決められている」ところでは、「無人の国宝」を撮影することも可能となります。
松本城天守の開場時間は8:30から17:30(通常時・最終入場16:30)。観光を目的とする多くの方はこの時間に合わせて来場します。おそらく9:00を回れば混雑が始まるでしょう。
そのため8:30には本丸の入口を目指したいですね。
さらに城跡では、天守だけでなく周囲の門や櫓、他に堀や石垣もじっくり見たくなるもの。遠くから天守を眺めるのも良いですね。
営業時間以外は本丸部分に入ることはできませんが、それ以外の部分は自由に歩き回ることができます。
そこで、本丸の列に並ぶ前にそれ以外の場所を回ってしまうのも手です。
7:00くらいには松本城に到着し、そこから周囲の様子を見学。自由に歩き回ることができるエリアの「みどころ」を撮影します。
城跡の周りから攻めて段々と中心部に近づいていき、開場時間の少し前に本丸に到着すれば・・ずっと比較的空いている環境で撮影をすることができます。
② 公園化されている城跡は「正午からの1時間」
城跡の中には「公園化」されているものもあります。公園以外にも、神社やグラウンド・役所など使われ方は様々。実は「公園化」パターンとなっている城跡の数はとても多いです。
山梨県甲府市の躑躅ヶ崎館は武田信玄の本拠として有名。
館の跡には「武田神社」あり、参拝する方は多い。神社の東西には曲輪の跡があり城好きとしてはそこをメインに見学したいのだが、参拝のついでに回る方もたくさんいます。
ですが「不思議と誰もいなくなる時間」が・・。
それは「正午からの1時間」。
これはあくまでも想像ですが、参拝目的に訪れた方は「どこかでお昼ご飯を食べよう」と考えているのではと思います。他に、公園で遊んでいた家族連れも同じような行動をとることが考えられます。
私は同じような現象を滝山城・伊那大島城などでも体験しており、「城跡は昼休みが空いている」説を支持しています。
また、撮影で「ちょっと・・」と思ってしまうのが工事や草刈りなどの作業時間にあたること。
これは城跡の環境維持にとても大切な事で、楽しんで訪問させていただいているこちら側からすると感謝の念しか浮かびません。
ですが、撮影映像に草刈り機の「ガーッ」「シャリーン」「バキバキ」なんて音が入るのはちょっと残念。
実は正午からの1時間はこれらの作業が行われないことが多く、作業員さんたちも休んでいる様子。
城跡を撮影するには最適な時間です。
13時になると作業開始となることが多いので、私は先に城跡見学を済ませてからお昼ご飯に行くことが多いです。
③ マニアックな城跡
城好きにとって「マニアック」という概念は無いでしょうが、一般的に見れば「それも城跡なの?」と思われる場所もあります。
愛知県の古宮城や茨城県の小幡城などが当てはまるでしょうか。城好きな方から見ればとてもメジャーな城跡です。
また、同じ城跡でも「一般の方がなかなか足を踏み入れないエリア」もあります。
蕎麦で有名な兵庫県の出石城。麓には近世に築かれた「出石城」があり、石垣が残っていたり櫓が再建されています。それなりに高さもあって、本丸まで足を運べば出石の町を眺めることができるので、多くの方が訪れています。
ですがその上の山にある有子山城。近世出石城跡から登山道を1時間近くかけて登るのですが、そこまで足を運ぶ方となるとグッと少なくなります。むしろすれ違うのは「登山」のカッコをした方々。
同じように東京都の八王子城も麓のガイダンス施設や館跡を回る見学者は多いのですが、裏にある山城部分を攻めようという方は少数。
このような城跡は見学者はとても少なく、休日でも撮影に苦労するということはほとんどありません。そのため何時に訪問しても大丈夫。いちばん時間を気にせず見学できます。
そこで優先したいのは「身の安全」。
とにかく「明るい時間」に行くようにしています。
特に山城は麓から山頂までの到着時間が読めないことが多いです。いろいろなサイトを見ると所要時間の目安の記載はありますが、これは人によって違い当日の体調でも大きく変わります。ですので、「時間に余裕をもって訪問する」ことが想像以上に大切です。
私は以前夕方から山城見学に出掛けて、帰り道が真っ暗になったことがあります。
頂上で素敵な夕焼けが撮れたのは良いのですが、それからは地獄。山道は木々に遮られて日の光が届きにくく、想像以上に真っ暗になります。
地面の起伏が見えないので歩くスピードは一気に低下。あたりが暗くなるほど不安と焦りが高まり、通常では考えられない精神状態になります。
幸い転倒もせず無事下山できたのですが、もし怪我をしたり撮影機材を落とすようなことがあったら最悪でしたね。
「マニアックな城」は何時でもOKなので、とにかく明るい時間に訪問しましょう。
複数の城を回るときは「コース」を計画しましょう
これまで紹介した空いている訪問時間ですが、絶対ではないことはいうまでもありません。ですが、それにできるだけ合わせることで効率的に城跡見学をすることができます。
これまで私が一番効率的に城見学ができたと思うのは三重県にある4つの城を1日で回ったとき。
早朝に鳥羽城、午前中に田丸城、その後松坂城、夕方に津城を回るというコースです。
鳥羽城は比較的空いている時間に見学できましたし、田丸城ではとても明るい時間帯に撮影することができました。
いちばん混雑すると予想していた松坂城の撮影は苦労しましたが、日が沈む前に津城の撮影を終えることができました。
どれも編集してYouTubeにUPすることができ、ホッとしています。
1日に欲張ってたくさんの城跡を回るのはどうかと思いますが、効率的に見学できれば時間にもお財布にも優しいです。
私が経験した「城跡の撮影に最適な時間」を参考にしていただければ、ありがたいです。